昨日は小旅行で、某地方都市に一泊した。
働きたくない、と言ってる輩に限って、旅好きな奴が多いが(偏見か?)、僕もゴタブンニ漏れず、かなりの旅好きである。
というか、そもそも現実をあまり生きていないような人間なので、どこに行ってもフワフワ、フラフラと家にいるときと同じように過ごせるのは少し利点なのではないかと思うのであるが、普段の生活をフワフラに生きている時点で決定的に欠点なので、利点だとか言って安心しているわけにはいかない。

さて今回の旅先には、新聞社に勤めている友人がいるので、駅につくなり連絡をとった。
泊めておくれ、と頼むつもりだったのだが、なんでも今晩は夜勤とのこと。さすがに忙しいのだなと思ったのだが、これぐらいのことで引き下がるわけにはいかない。
と、別にここで決意を示す理由など何一つないのだが、せっかくここまで来たのだから、顔を合わせるぐらいはしてみたいな、と、今回は夜の新聞社支局に潜入することを計画した。

「夜勤」と言っても、もちろん徹夜で働きつづけるわけではない。仮眠も取るし、社内には基本的に人はいないので、部外者でも潜入可能なのである。
僕は別の友人が、深夜に彼の友達の会社で遊んだという話を聞き、自分も実行しようとなぜだかわからないが決心したのである。

夜中の1時過ぎ、友人に携帯で連絡。もうすぐ最後まで働いている先輩が帰るとのこと。
よし、帰った直後に潜入だ、と、あらかじめ調べていた会社の場所へと向かった。

ちなみに僕はこの時点で、24時間営業のサウナに宿(サウナは宿と言うのか?)を取っていたので、こうして彼の会社に行かなければならない理由は特にない。
が、もう旅という時点で、普段から浮き足立っている僕の足はさらに浮き足立ち、普段の行動範囲の1.5倍ぐらい活動的になっていたので止まることはできない。
5分やそこらで会社ビルにたどり着いた。

ところがここでアクシデントが起こった。
友人からの緊急連絡で、先輩が帰る気配がなくなったというのである。さすがは天下の新聞社。支局と言えどもあなどるわけにはいかない。深夜の深夜まで働く記者の方がいるのである。
仕方がないので僕は最寄のコンビニに立ち寄り、篭城作戦に出た。その先輩とやらが立ち去るまで、ひたすら漫画を読みつづけるのである。
選んだ漫画は「ヒカルの碁」。知らない土地のコンビニで、深夜にひたすら漫画を読みつづける。大人しく帰ればよいのに、完全にあほうである。

30分ほど読みふけっていた後に、連絡が入った。
先輩は今日は帰る気配はない、作戦(「作戦」と書いて、「オペレーション」と読む)を中止せよ、とのこと。
なんてことだと思ったが、仕方がない。人間引き際が肝心である。もともとすごい動機があってはじめた作戦ではないので、引き際も案外早い。

が、そのまま帰るのもなんだから、一応そのビルは見ておこうと、電話をしながらビルに向かった。
なかなか大きいビルである。
ビルの下に怪しげなおっさんが一人ぼーっとつったっていたので、支局襲撃か?などと気を使っていたのだが、販売店と一緒になっていたようで、配達の方であった。
よくよく考えるともう2時に近い。チラシをはさんで、配達準備をするにはこのぐらいには起きていなければならないのであろう。

逆に怪しげなのは僕のほうであった。新聞社ビルの向かいの道路に腰をおろし、ビルの3階にいる友人と話続けている。
ここで職質を受けたら、なんと答えたらよいのか。向かいのビルの人と話していた、と言って納得してもらえるのだろうか?
いや、この新聞社は某右よりの方々にたびたび襲撃を受けるところである。なんだかんだとゴタクを並べる前に連れて行かれるのではないか。しかも僕はその時、宮嶋茂樹氏の著作をかばんにいれていた。右がわで挙げられる要素はしっかりそろっている。

と、実際その時思って帰ったわけではなく、眠かったという理由だけで、僕はあっさり撤退した。

ところでその友人は現在連載を持っているらしい。入ってまだ半年なのに、取材対象を自分で選び、カメラを抱えて取材に出かけ、事実関係の確認などに気を使いながら、写真を含めて、一面の6分の一ぐらいの記事を書き上げているのだと言う。
次の日の新聞を見てくれ、そして感想を聞かせてくれ、と言われた。支局のデスク以外から、記事についての感想を聞いたことがないので、聞いてみたいらしい。
半年前まで記者のタマゴであった彼は、もう立派にプロの顔をしていたようだ。(顔はみてないけど)


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